あなたのお子さん、昔話を知っていますか?
鬼退治に行ったのは誰か。鶴が機を織っていた理由。おじいさんが川で拾ったものが何だったか。
意外と「知らない」かもしれません。それ、うちだけじゃないんです。
読み聞かせの現場で何百人もの子どもたちと絵本を読んできた私が、最近しみじみ感じていること。それが「現代の子は、昔話を知らない」という事実です。
なぜ、昔話は家庭から消えたのか
ていうか正直に言うと、うちも全然読んでなかった。
昔話って、なんとなく「どこかで勝手に覚えるもの」だと思ってたんです。学校で習うか、テレビで見るか、おじいちゃんおばあちゃんが話してくれるか。誰かがどうにかしてくれると、なんとなく思ってた。
でもそれ、思い込みでした。
しかも今って、ほんとうに面白い絵本がたくさんあって。表紙を見ただけで「これ読みたい!」ってなる絵本が次々出てくるんですよね。子どもが食いつきそうな新しい絵本を優先したくなるのは、もう仕方ない。親だって楽しみたいし。
そうやって昔話は後回しになっていく。
で、あるとき息子に努力の話をしようとして、「うさぎとかめと一緒だよ」って言ったら。
きょとん。
え、知らないの? というか待って、読んだことなかったわ私。完全に抜けてた。
昔話って「常識」だと思ってたけど、読み聞かせしなかったら普通に知らないまま育つんだな、と気づいた瞬間でした。
読み聞かせボランティアで、びっくりしたこと
実は私、読み聞かせボランティアをやっています。まだ2年目のひよっこなんですが、そこで衝撃的な体験をしまして。
ある日、昔話を読んでみることにしたんです。人気作家さんの新しい絵本じゃなくて、あえて桃太郎とか浦島太郎とか。
正直、内心ちょっと心配してたんです。みんな知ってるし、退屈かも……って。だから読む前に「このお話、知ってる人〜?」って聞いてみたら。
ほとんどの子が、手を挙げなかった。
え、知らないの? と思って、一緒にいたボランティア仲間に話したら「確かに今の子、知らないよね」って。みんな同じことを感じていた。
先日、図書館の司書さんと話したときも同じ話題になって。「今の子は知らないですよね」って。2年生で昔話の授業があるらしいんですが、司書さん曰く、授業で習うのと、読書や読み聞かせで知るのはやっぱり違うよね、と。
ほんとそれ、と思いました。授業で「桃太郎はこういう話です」と習うのと、絵本でわくわくしながら聞くのとでは、心への残り方が全然違う気がして。
しかも読み始めたら、めちゃくちゃ食いついてくれて。人気作家さんの絵本ももちろん反応いいんですが、昔話をこんなに真剣に聞いてくれるのは正直意外でした。やっぱり何百年も語り継がれてきただけあって、子どもの心をつかむ力がちゃんとあるんだな、と実感した出来事でした。
むずかしいこと抜きに、単純に面白いんです
「昔話は情操教育に大切」とか「道徳心が育まれる」とか、そういう話もあるんだけど、正直そこはどうでもよくて。
シンプルに、子どもが食いつくんです。
鬼がこわい、姫がきれい、猿がずる賢い。感情がわかりやすいから、小さい子でもすっと入っていける。それに「むかしむかし」って始まった瞬間に、なんか別の世界に連れていかれる感覚があるじゃないですか。あれ、大人でもちょっとわくわくしませんか。
あと、昔話って会話のネタになるのもいい。「うさぎとかめみたいにコツコツやろう」「鶴の恩返しって知ってる?」って日常で使えるようになると、親子の共通言語が増える感じがして、それがじわじわ嬉しかったりします。
実際に読んで、子どもが喜んだ絵本たち
というわけで、ここからは実際に読んでみてよかった昔話絵本を紹介します。
ちなみに昔話絵本って、ひとつのお話でいくつもの出版社から出ていることが多いんです。絵柄もストーリーの描き方も、出版社によってけっこう違う。このブログでは今後、出版社ごとの違いも詳しく紹介していく予定なので、ぜひチェックしてみてください。今回はまず「どれか1冊選びたい」という方向けに、タイプ別でまとめてみました。
まず1冊試したいなら|『ももたろう』福音館書店
昔話絵本の定番中の定番。絵が力強くて、読み聞かせの場でも子どもの反応が毎回いい。「鬼退治」の迫力がちゃんと伝わる1冊です。はじめての昔話絵本にもおすすめ。
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福音館書店|Fukuinkan Shoten ももたろう】
絵の雰囲気で選びたいなら|いもとようこシリーズ(金の星社)
やわらかくてあたたかい絵柄が特徴。怖すぎず、小さい子でも安心して読める。うちの子はこのシリーズで昔話デビューしました。種類も豊富なので、少しずつ集めるのも楽しい。
まとめてドンといきたいなら|日本昔ばなしアニメ絵本(16冊セット)(長岡書店)
桃太郎・浦島太郎・かぐや姫・さるかに合戦……おなじみの昔話が16冊まとめて揃うセット。一気に揃えられるので「とりあえずこれがあれば安心」な頼もしい存在。プレゼントにも喜ばれます。
迷ったときはここだけ見て
昔話絵本、種類が多くてどれにすればいいか迷いますよね。シンプルにまとめると、こんな感じです。
小さい子(2〜4歳)には 絵が大きくてセリフが少ないもの。いもとようこさんシリーズあたりが安心。
5歳以上なら ストーリーがしっかりあるものも楽しめます。福音館書店の昔話絵本はこの年齢にぴったり。
とにかく手っ取り早く揃えたいなら 全集がコスパ最強です。1冊ずつ選ぶ手間もないし、棚に並んでると地味にテンション上がります(笑)。
まず1冊、手に取ってみてください
昔話って、特別なことじゃなくていいと思うんです。毎晩読まなくていいし、全部制覇しなくていい。
ただ、1冊でも読んでおくと、日常のどこかでふと使える瞬間がくる。「うさぎとかめみたいにね」が通じる日がくる。それだけで十分じゃないかな、と私は思っています。
まずは気になった1冊から。おすすめの絵本、ぜひ試してみてください。

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